エリアマーケティングは、新規出店時に役立つマーケティング手法です。
各地域の生活様式や土地柄などを踏まえて、マーケティングを行います。
飲食店やアパレル店、雑貨店などの実店舗をオープンするときは、エリアの特徴を踏まえたマーケティングを行いましょう。
エリアマーケティングの特徴や流れとともに、エリアマーケティングに欠かせない「商圏」の分析方法についてもご紹介します。
┃目次
エリアマーケティングとは地域の特性にもとづいたアプローチ方法のこと
エリアマーケティングの実施方法
エリアマーケティングを行うタイミング
エリアマーケティングのメリット
エリアマーケティングで重要な商圏分析
エリアマーケティングで地域の特性を活かしたプロモーションを実施しよう
┃エリアマーケティングとは地域の特性にもとづいたアプローチ方法のこと
エリアマーケティングとは、それぞれのエリアの特徴に合わせたマーケティングを行うことです。
その土地の交通インフラや住んでいる人の特徴、土地ならではの文化、気候、産業などの特徴を踏まえたアプローチをすることで、マーケティングの効果を高められます。
ただし、そのためにはエリアのことを詳しく知らなければいけません。
エリアマーケティングでは、店舗を出店する前の調査や分析が大切です。
出店した店舗が成功するためにも調査をしっかり行いましょう。
┃エリアマーケティングの実施方法
1. マーケティングの対象になるエリアを決める
まずは、エリアマーケティングの対象になるエリアを決定します。
エリアの選定には、「商圏分析」が必要です。商圏分析の「商圏」とは、来店する可能性があるお客さま(ターゲット層)が住んでいる地域の範囲を指します。
その範囲における市場ボリュームや、地域の特性を把握するために行うのが商圏分析です。
商圏分析をもとにマーケティング効果が高い地域を選定し、マーケティング対象のエリアを決定します。
2. 対象エリアに合わせたマーケティング戦略を立てる
マーケティングの対象となるエリアの特徴に応じて、適したマーケティング戦略を立てます。
お店での割引や特典の配布、LINEなどを使ったキャンペーン、チラシの投函、地元紙への広告掲載など、マーケティング方法はさまざまです。
対象エリアやそこに住むお客さまの特徴に合わせて方法を検討します。
実際に新規店舗を出店し、マーケティングを実施した際は、定期的にお客さまからアンケートなどで意見をいただくこともおすすめです。施策を見直す際などに役立つでしょう。
┃エリアマーケティングを行うタイミング
エリアマーケティングは、新しくお店を出店するときに効果的です。
新しくお店を開くときは、エリアに住むターゲット層に対して「お店ができますよ」というお知らせをしなければいけません。
情報を効果的に届けるために、エリアマーケティングを行います。
また、手当たり次第にプロモーションを行うのではなく、エリアの特性を踏まえて、限定したプロモーションを行った方が費用対効果を上げやすいといえます。
┃エリアマーケティングのメリット
エリアマーケティングがもたらすメリットを理解することで、今後のマーケティング戦略が立てやすくなります。
エリアマーケティングの主なメリットは下記のとおりです。
マーケティングの対象になるエリアを決める
エリアマーケティングでは、そのエリアにどんな人が住んでいて、どんな暮らしを送っているのかを確認します。
そのため、これまで自社が行ってきたマーケティング方法がエリアに適していたかどうかを見直すきっかけになるでしょう。
新規出店エリアの選定に役立つ
エリアの分析は、出店先が適しているかどうかを調べるときにも効果的です。
ターゲット層が多く生活しているエリアなら、一定の売上を上げられる可能性が高くなります。
また、お店の規模や営業時間、商品展開の内容などを決めるにも役立つため、エリアに応じた店舗展開をすれば無駄なく売上を最大化することができます。
需要と売上の予測が立てられる
エリアの分析をすると、需要と売上の予測を正確に立てやすくなります。
売上予測は、ターゲットになる年代の人口と、そのうちどのくらいの方が来店してくれて、どのくらいが購入につながるのかを計算しなければなりません。
また、予測にもとづいた仕入をすれば無駄がなくなるため、コスト削減にもつながります。
広告費を削減できる
エリアマーケティングでは、エリアの特性を調べた後、結果に応じたマーケティングを実施するため、無駄なく効果的なマーケティングが行えます。
例えば、エリアの特性を踏まえてポスティングのチラシデザインや配布範囲などを最適化することで、コストの削減と効果の最大化が可能です。
潜在顧客を発掘できる
エリアマーケティングでは、同じエリア内のライバル店の分析も行います。
ライバル店の顧客を把握することで、自社がターゲット層を取りこぼしていないかどうかが明確になります。
取りこぼしがある場合は、ライバル店と比べて何が劣っているのか、ライバル店よりも選ばれるためにはどうすればいいのかを検討して、問題をカバーするためのマーケティング施策が必要です。
┃エリアマーケティングで重要な商圏分析
エリアマーケティングでは、商圏分析を行うことが重要です。
商圏とは、お店を訪れる可能性のあるターゲット層が生活する地域の範囲を指します。
実店舗を訪れるお客さまは、「一定範囲内」で生活している人がほとんどです。
この「範囲」が「商圏」です。商圏の特徴を分析すれば、どのようなエリアマーケティングが効果的なのかがわかりやすくなるでしょう。
┃商圏分析の進め方
商圏分析は、「エリアの決定」「情報の収集」「レポートの作成」という3ステップで進みます。
ここでは、新たにお店を出す場合の商圏分析の進め方について見ていきましょう。
1. 分析する商圏を決める
まずは、出店予定の場所を中心にマップ上で範囲を指定して、分析する商圏を決めます。
お店周辺を広く対象としたいときは、お店の場所を中心に「半径◯km圏内」の円を描きます。
■広く範囲指定する場合の例
徒歩や車、電車などで来店されることを想定して商圏を決めたいときは、より細かく設定しなければなりません。
■条件を絞って範囲指定する場合の例
商圏の決め方は、お店の業種によって異なります。
店舗数の多いコンビニなどは近隣住民が対象になるので半径が小さくなりますが、店舗数の少ないアパレル店などは大きな円になることが想定されます。
業種に応じた円の広さを検討するようにしましょう。
2. 指定した商圏の情報を収集する
商圏を決めたら、そのエリアの人口統計や人口分布、世帯構成、年齢などを調べます。
どんな人が住んでいるのかがわかれば、自社の商材にマッチしているかどうかが判断しやすくなるからです。
商圏分析に活用できるデータは、下記のような国勢調査の結果や国立の調査機関などの統計データを使うと、簡単に集められます。
例えば国勢調査では、それぞれの地域の世帯数や人口、6歳未満、18歳未満、65歳以上それぞれの人員を含む世帯数や人数などを詳しく確認できます。
また、集めた統計データを組み合わせることで、昼間の人口や、人口あたりの店舗数など、1つの統計だけではわからなかった新たなデータを導き出すことも可能です。
<商圏分析に活用できるデータの例>
・国勢調査
国勢調査は、全国の年齢別の人口、家族構成、働いている人、日本に住んでいる外国人などの統計です。5年ごとに行われます。
※政府統計の総合窓口 e-Stat「国勢調査」
・年収別世帯数推計データ
年収別世帯数推計データは、年収を6階級に分けて、地域別の推計世帯数を示したデータです。国勢調査の結果などをもとに、データ調査会が販売しています。
・将来推計人口・世帯数
将来推計人口・世帯数は、未来の人口推計や世帯数を示すデータです。出生・死亡・国際人口移動の数値をもとに仮説を立て、日本全域の将来の人口規模などの推計を行ったものです。国立社会保障・人口問題研究所が公開しています。
※国立社会保障・人口問題研究所「将来推計人口・世帯数」
・家計調査年報
家計調査年報は、総務省統計局による、2人以上世帯、単身世帯、総世帯、それぞれの家計収支に関するデータです。調査は毎月行われ、月次で報告されています。
※総務省統計局「家計調査(家計収支編) 調査結果」
・商業人口
商業人口は、経済産業省が発表している、小売業の年間の売上高を人数に変換した推計データです。商業人口を見ることで、どのくらいそのエリアで買い物をする人がいるのかがわかります。
※経済産業省「商業統計」
3. レポートを作成する
商圏のデータを収集したら、レポートを作成します。
お店の業態や目的に応じた項目をまとめたレポートを作成して、出店するエリアとして適切かどうかを検討する必要があるためです。
同じエリア内への出店でも、出店場所によっては分析の結果が変わります。
自社のコンセプトに最適な出店先を検討するために、レポートを活用します。
┃エリアマーケティングで地域の特性を活かしたプロモーションを実施しよう
エリアマーケティングの施策を練り、出店地域の選定やプロモーションに役立てましょう。エリアマーケティングの過程で行う商圏分析は、時間と手間がかかるように感じるかもしれませんが、しっかり調査をしておくことで出店計画を有利に進めやすくなります。
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この記事は株式会社丸井のテナントサクセス推進室が監修しており、出店の際にわかりやすく役に立つ記事を目指しています。
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監修:OMEMIE編集部
2024-02-01
更新日:
/
2024-02-01
公開日:
|
OMEMIE編集部