新しいエリア、新しい販売、テストマーケティングでの出店
- OMEMIE編集部
- 2023年8月25日
- 読了時間: 8分
更新日:2024年11月25日
【イベント】スイーツ/テストマーケティング/販売員の手配不要なスペース

┃DATA
ブランド:Canelé de CHIANTI(カヌレ ド キャンティ)
業態:食物販
社名:A.C株式会社
出店目的:テストマーケティング
出店店舗・フロア:新宿マルイ本館 B1階 (コンセプトショップス)
┃目次
┃はじめに
今回は新潟発のカヌレ専門店「Canelé de CHIANTI(カヌレ ド キャンティ)」の代表取締役の川又さまにインタビューさせていただきました。
レストランの運営をしながら、飲食店のコンサルティングやメニュー開発、出店窓口など多岐に渡って活躍されている中で、同社がこのイベントを通じて挑戦した新たなチャレンジや、出店する上で必要なサポートについて語っていただきました。
┃この記事のポイント
新たな販売スタイルに向けたテストマーケティング
出店する上で必要なサポート
┃ブランドについて教えてください
豊富なフレーバーと新食感のカヌレ
当社はレストランとして新潟にAtelier CHIANTI(アトリエ キャンティ)を展開しており、Canelé de CHIANTI(カヌレ ド キャンティ)はレストランから派生したブランドとなります。
18種類と数多くのフレーバーを展開しています。
フレーバーごとに生地から作り、超低温で2日以上熟成させ2時間かけて丁寧に焼き上げることで、”もっちゃり" とした新食感に加え、今まで食べたことがないような色々な味が楽しめるのが最大の特徴です。

┃出店の目的について教えてください
新しいエリアでのテストマーケティングで人流や客層を知りたい
今回出店した大きな目的は、新宿エリアでのテストマーケティングになります。既に渋谷と日本橋に出店していますが、元々新宿エリアにも興味を持っており、実際に出店し販売することで、お客さまの流れや客層がわかると思い、場所を探していました。
新宿エリアの数ある商業施設の中でマルイさんに出店した理由は、地下1階フロアは駅から直結で入店でき、お客さまが普段の生活導線の中で購入できるような場所に魅力を感じたことです。
今回の販売方法はショーケースに入っているもの選んでいただく対面販売から、あらかじめカヌレを箱に梱包して自ら手に取っていただく販売に変えてのチャレンジでした。
ギフトではなく自分へのごほうびとして嗜好品で購入してくれるお客さまが来店していただけると、今後の商品展開の幅も広がるのではないかと考えていました。

┃店づくりや商品の陳列ポイント、新たなチャレンジはありますか?
販売スタッフが在中しない中で、ブランドカラーで目を惹く訴求と、今までにない販売スタイルでの挑戦
今回はコンセプトショップスに出店させていただきました。
マルイさん側で什器や販売員を用意いただいたので、こちらでは商品とPOP、ショップカードを準備しました。
商品を陳列する際は遠くからでもお客さまの目を惹くように、ブランドカラーであるオレンジを全面に出すように心がけています。

既存の店舗では1種類ずつ陳列して対面販売でお客さまに選んでいただくスタイルが中心ですが、今回は初めてカヌレを箱に梱包しお客さまが自ら手に取って販売する点や、当社のスタッフが在中していない中での販売というのが大きなチャレンジでした。
対面販売でお客さまに選んでいただくスタイルはある程度商品知識が必要になりますが、今回の新たな販売方法はテストマーケティングでした。
一定のニーズがある場合、スタッフを派遣しなくても全国のお土産店に商品を置いてもらうことで取り扱い店舗が増やせるので、今回テストマーケティングが上手くいくことで販路拡大にもつながると考えています。

┃出店してみての感想
人流や客層は予想通りも、販売数を増やすための改善が必要
出店してまだ数日の中で感じたことは、当初予想していた通り入店客が多く、オフィスワーカーのお客さまが普段の生活同線の中で自然に入店しているような場所でした。
そのため平日、土日の売上の差はほとんどなく、自家需要の比重が高いということを再認識できました。
予定していた販売数にまだまだ足りておらず、今回初めて対面販売ではない方法で出店をした難しさも感じています。
実際にお客さまが手に取ってもらえないと効果検証もできないため、残りの期間で店づくりや陳列を見直しができる部分に関しては修正しつつ、効果検証ができるように取り組んでいきたいと思います。
次回同じエリアで出店させていただく際は、今回2種類のみだった商品のラインナップを増やしたり、冷凍で出しているカヌレを常温で持ち運びできるように開発し直して売場に陳列できるようにしたいです。
また弊社のスタッフが不在の分、商品について説明する動画を活用したデジタル媒体での訴求などができるようにしていきたいです。

┃今回の出店の振り返りについて
お客さまの声を基に、満足度の高い商品や良い店づくりに向けて日々議論しています
常設出店している渋谷や日本橋、イベントで出店した際の振り返りついては、大々的には実施していませんが、各店舗運営の責任者と製造責任者、私を含めたグループチャットが存在します。
そこでは常に店舗の運営に対する課題や商品に関するお客さまの意見についてディスカッションして、責任者より店舗や製造のスタッフに共有してもらい、よりよい店作り、商品作りに向けてブラッシュアップをしています。
指標については売上が上がったから良かった、売上が下がったから駄目だったという単純なものではなく、私たちはお客様の満足度が一番重要だと考えています。
販売量が少なかったとしても、質の良い口コミが入るのであれば評価に値すると思いますし、スタッフのモチベーションにもつながります。
単発的な売上だけを求めていくのであれば満足度はあまり必要ないと考えており、広告・プロモーションをすれば売上もついてくると思います。
しかし継続的にリピートしていただくためには、商品のクオリティをはじめ全体的に満足度が高くないと中長期的な売上にはつながらないため、お客さまからの意見を基に満足いただける商品、店づくりを大切にしていきたいと考えています。
┃出店に必要なサポートについて
売上予測を立てる上での事前情報が把握できるとよい
出店する上で今後サポートしてほしいことは、事前に出店エリアの特性が知れると良いと思います。
新潟の会社で私自身も新潟に住んでいるため、他県に出店する際にエリア特性が中々つかめないことがあります。
例えば新宿で出店させていただく場合は、どういうエリアでどんなお客さまが多いか等を事前に教えていただけると、視認性のあるディスプレイに変更したり、わかりやすい金額表記にしたり、海外のお客さまが多ければ英語の表記を付けたりと、エリアの特性に合わせて工夫ができると思いました。
また、開示するのは難しいかもしれませんが、同じジャンルやカテゴリーの売上、時間帯や平日・休日での売上構成がわかるとなお良いと思いました。
エリア特性だけだとあくまで予測になってしまい、金額が見えないと目標が立てづらいこともあるので、さらに精度を上げていくためにも目安となる指標があると嬉しいですね。
一方で他の商業施設に出店する場合、大多数は売上マージンが条件ですが、マルイさんの場合は区画の料金が明確になっており、家賃のみを先払いして出店するため予算組がしやすく、かかる経費が事前にわかるという部分ではメリットに感じました。
イベント出店時にネックになる販売員の手配に困らない
イベント出店する際に最もネックになるのは販売員の手配です。
既存のお店から手配するようにしていますが、調整が必要になるため準備に時間かかり、イベントの出店自体が重たく感じてしまいます。
その点、今回出店したコンセプトショップスは販売員や什器が備え付けで商品やPOPだけを用意すれば出店できるので、通常のイベント出店に比べて準備期間も短く、フットワーク軽く出店できました。
テストマーケティングがメインの当店にはちょうど良いサービスだったと思います。

┃まとめ
今回は新潟発のカヌレ専門店「Canelé de CHIANTI(カヌレ ド キャンティ)」の代表取締役の川又さまにインタビューさせていただきました。
イベント出店の際に販売員の手配がネックになるというお話はどの企業さまも課題だと捉えていますが、新しいエリア・販売スタイルに向けてテストマーケティングを兼ねた今回の出店事例は、今後新しい商品の展開に向けたマーケティングやプロモーションを検討されている企業さまにとって、大変参考になると思います。
今回のスペース

新宿マルイ本館・B1階 コンセプトショップス 商品発送のみで出店できるスペース。「食」をテーマにし、簡易厨房が隣接した試飲・試食の体験が可能です。