飲食業がイベント出店するには?必要な手続きや注意点を解説
- OMEMIE編集部
- 1月11日
- 読了時間: 8分
更新日:8月13日

飲食業の方がイベント出店やポップアップストアを出店することは、売上の確保や認知の拡大に効果的です。これまで自店舗を知らなかったお客さまに魅力を知ってもらえるチャンスとなるため、積極的に活用しましょう。
ただし飲食業の方がイベント出店をする際は、さまざまな手続きが必要です。
この記事では、イベント出店の際に行わなければならない手続きや出店までの流れのほか、注意点について解説します。イベント出店を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
┃目次
┃飲食業の方がイベント出店する際に必要な手続き
イベント出店であっても、営利目的で食品の販売をする場合は、常設店をオープンする際と同様の手続きが必要です。飲食業の方がイベント出店する際に行わなければならない手続きについて解説します。
なお本記事は、2025年1月時点での情報に基づいています。実際にイベント出店をする際は、手続きについて保健所などにご確認ください。
飲食店営業許可証の取得
飲食店営業許可証とは、保健所で取得できる、飲食店を運営する上で必要な許可証のことです。飲食店営業許可証を取得することで、店舗で調理した料理や、酒類の提供が可能になります。
飲食店営業許可証は、場所や設備に対して認められるものです。そのためすでに食品営業許可を得て飲食店を営業している事業者でも、営利目的で商業施設などにイベント出店する場合は、新たに許可を得なければなりません。
申請書の提出は、イベント出店する10日前までを目安に行います。ただし申請前に、イベント出店する店舗が規定に沿った設備を備えているか確認してもらうために、管轄の保健所へ事前相談する必要があります。設計図を持参して、相談へ行きましょう。問題があった場合は、予定している設備を変更しなければなりません。
なお午前0時~午前6時に酒類の提供を行いたい場合は、別途「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」の提出が必要です。
食品衛生責任者資格の取得
食品衛生責任者とは、食品を提供する施設において衛生管理を担う責任者のことです。食品を扱う事業者は、店舗に食品衛生責任者を置くことが義務付けられています。常設店はもちろん、イベント出店でも変わりません。
下記の資格を保有している場合は、食品衛生責任者になることができます。
<食品衛生責任者になれる資格>
栄養士
調理師
製菓衛生師
食鳥処理衛生管理者
畜場法に規定する衛生管理責任者もしくは作業衛生責任者
船舶料理士
食品衛生管理者の有資格者
資格を持った従業員がいない場合は、各自治体が実施する「食品衛生責任者養成講習会」などを受講してください。講習会を修了すれば、食品衛生責任者になれます。受講料や申込み方法は、講習会の主催者によって異なるため、地域の保健所の案内を確認しましょう。
なお食品衛生責任者資格は、前述の飲食店営業許可証を取得する際に必要になります。
防火管理者選任届の提出
収容人数が30人以上の施設へ出店する場合、防火管理者を選任して、「防火管理者選任届出書」を消防署へ提出しなければなりません。防火管理が必要な施設へ出店する場合は、すべての出店者が防火管理者を選任する必要があります。
防火管理者の選任が必要な建物は、施設の内容や収容人数、延床面関などに応じて「甲種防火対象物」と「乙種防火対象物」に分けられます。出店先が甲種防火対象物に該当する場合は甲種防火管理者、乙種防火対象物に該当する場合は甲種または乙種防火管理者を選任しましょう。
甲種防火管理者や乙種防火管理者として選任されるための資格を得るには、防火管理講習を受ける必要があります。講習時間は、甲種防火管理者の場合2日に分けて10時間、乙種防火管理者の場合5時間程度です。
ただし安全管理者や1級建築士、危険物保安監督者など、一定の資格を満たす人は講習を受けなくても防火管理者になれます。
┃飲食業の方がイベント出店するまでの流れ
飲食業の方がイベント出店するには、さまざまな準備が必要です。飲食業の方がイベント出店するまでの流れを見ていきましょう。
1. 出店場所の選定・確保
イベント出店をする際は、出店場所を選定し、確保することから始めます。
飲食店のイベント出店では、下記のような場所が出店先として挙げられます。提供するメニューやターゲット層に合わせて、出店場所を選定しましょう。
<イベント出店できる場所の例>
商業施設のイベントスペース
フード関連などの集合イベント
商業施設のイベントスペースの場合は、自店舗が主体となって期間限定で飲食店をオープンします。一方フェスなどが該当する集合イベントの場合は、イベント主催者に対して申込み、出店手続きを進めます。
商業施設のイベントスペースへ出店する場合も、集合イベントに参加する場合も、それぞれ出店申し込みの方法や期限が定められているため、早めに動き出しましょう。
なお、出店場所の選定や商業施設への出店については、下記の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
2. 什器や販促物の準備
出店場所の目処が立ったら、イベント出店で使用する什器や、販促物を準備します。イベント出店では、什器や販促物を出店側が用意することも多いため、必要なものをリストアップしてそろえておきましょう。
常設店を構えている場合、常設店で使用している什器や販促物を流用できます。しかしイベント出店が初めての実店舗での販売となる場合は、テーブル・椅子などの什器や、ショップカード・チラシなどの販促物の用意がないでしょう。準備にかかる時間を考慮して、スケジュールを立てておくことが大切です。
3. 運営のルール作り
什器や販促物の準備と並行して、運営のルールを決める必要があります。具体的な接客方針やオペレーションを定め、スタッフに周知しましょう。机上のオペレーションではうまくいかない可能性もあるため、実際のイベント出店スペースを想定してシミュレーションしてみると安心です。
4. PR活動
イベント出店をする際は、集客のためのPR活動も大切です。出店先の商業施設やイベントのSNS、WEBサイト、ポスターなどへの掲載が可能であれば、積極的に告知を行ってください。
同時に、自社のWEBサイトやSNSでも、告知に力を入れましょう。イベント限定メニューなどを用意すると、PR活動の際のアピールポイントとなります。
┃飲食業の方がイベント出店する際の注意点
飲食業の方がイベント出店を考えている場合、どのような点に注意すればいいのでしょうか。出店時の注意点をご紹介します。
お店に問題がなくても営業許可を受けられないケースがある
飲食店営業許可申請では、お店の設備などに不備がないかを確認されます。しかし仮にお店自体に問題がなくても、許可が下りないケースもあるため注意しなければなりません。
例えば申請者が過去に食品衛生法に違反し行政処分を受けていたり、何らかの理由で飲食店営業許可の取り消しをされていたりする場合は、処分から2年経過するまでは飲食店の営業許可を受けられません。また申請者が法人の場合、役員の中に上記に該当する人が1人でもいる場合も同様です。
飲食店営業許可申請書には、上記に該当しないかチェックする欄が設けられています。問題がないか、事前に確認しておきましょう。
複数の場所でイベント出店するときはお店ごとに飲食店営業許可証が必要
飲食店営業許可証は、複数の場所でイベント出店する場合、出店する場所ごとに必要です。飲食店営業許可証は、飲食店を営む事業者ではなく、場所や設備に対して行われるためです。つまり許可を得た場所とは異なる場所に出店する際は、その都度飲食店営業許可証を取得しなければなりません。
期間をあけて別の場所にイベント出店する場合や、同時期に複数の場所で出店する場合も、その都度申請が必要です。申請について不安があるときは、所轄の保健所に問い合わせましょう。
┃イベント出店で自店舗の味をアピールしよう

飲食店のイベント出店は、幅広いお客さまの興味を引きやすい魅力的な施策です。飲食店営業許可の取得など、さまざまな手続きが必要になるため、慌てることがないよう余裕をもって準備を進めましょう。
飲食業の方がイベント出店を検討する際は、ぜひマルイ・モディをご検討ください。
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