アパレルや雑貨などを取り扱う小売業のマーケティングにおいて重要なことは、「インストアマーケティング」です。インストアマーケティングを適切に行えば、お客さまのロイヤリティ向上や売上アップといった多くのメリットがあります。
この記事では、インストアマーケティングの意味や方法、得られる効果について詳しく解説します。販路の拡大や業績アップを目指す事業者の方は、ぜひ参考にしてください。
┃目次
┃インストアマーケティングとは店舗を起点とした販促についての考え方のこと
インストアマーケティングとは、実店舗を起点とした販売促進活動についての考え方のことです。
ネットショップ市場の成長が著しい昨今、インターネットを活用したマーケティングは大きな力を持っています。その一方で、実店舗におけるマーケティングの重要性も高まっています。消費者のニーズが多様化する中、実店舗には「商品を直接手に取れる」「店員がお客さまと対面でコミュニケーションをとれる」といった、オンラインにはない多くの強みがあるためです。
オンラインのマーケティングとともに、オフラインの強みを活かしたインストアマーケティングの考えに基づく販売促進の戦略を展開することで、より多くの顧客層へのアプローチや購買体験の向上が可能になるでしょう。
┃インストアマーケティングを実施するための手法
インストアマーケティングを実施するための具体的な手法のことを「インストアマーチャンダイジング」といいます。さらにインストアマーチャンダイジングは、「インストアプロモーション」と「スペースマネジメント」に大別できます。
インストアプロモーションとは、お客さまに対して直接的にアプローチするマーケティング手法のことです。値引きや商品POPの設置などの施策が該当します。
スペースマネジメントとは、店舗の売り場を最適化することです。商品の陳列方法や店舗内の動線などを見直し、お客さまの満足度の向上、売上の拡大を目指します。
インストアプロモーションとスペースマネジメントは、どちらもインストアマーケティングに欠かせません。どちらか一方ではなく、両方を行う必要があるでしょう。
■インストアマーケティングのイメージ
インストアプロモーションの具体的な方法
お客さまに対して直接的にアプローチするインストアプロモーションは、「価格主導型」と「非価格主導型」に分けられます。セールなど価格に関するプロモーションは価格主導型、商品POPの設置など商品の魅力をお客さまに伝えるためのプロモーションは非価格主導型です。それぞれの具体例と特徴について見ていきましょう。
■価格主導型と非価格主導型の例と特徴
種類 | 施策の例 | 特徴 |
価格主導型 | ・セール ・商品価格の均一化 ・セット割引 ・ポイントサービス | 即効性が高く、短期的な売上向上につながりやすい |
非価格主導型 | ・商品POP(ポスター、デジタルサイネージなど)の設置 ・試供品の提供 ・プレゼントキャンペーン | 商品やサービスの認知度向上や、優良顧客の獲得につながりやすい |
価格主導型のインストアプロモーションでは、通常よりもお得な価格で商品を販売したり、お得に感じてもらえる施策を行ったりして、販売促進を行います。商品を購入後、次回の買い物が割引になるポイントを付与するといった施策も、結果として値引きにつながることから、価格主導型のインストアプロモーションといえます。
一方の非価格主導型のインストアプロモーションは、価格以外の価値をお客さまに伝える施策です。商品を購入したお客さまに対してノベルティをプレゼントするといったことも、非価格主導型のプロモーションに該当します。
価格主導型と非価格主導型のインストアプロモーションは、並行して実施できます。それぞれ異なる特徴があるため、状況や戦略に応じて使い分けることが大切です。
非価格主導型のインストアプロモーションで用いられる商品POPについては、下記の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
スペースマネジメントの具体的な方法
スペースマネジメントは、店舗内の配置を最適化するインストアマーチャンダイジングです。店舗を訪れたお客さまが、できるだけ長時間、居心地良く店内に滞在し、購買につながるような施策を実施します。
スペースマネジメントの具体的な方法は、店内の動線や陳列方法の見直しです。より多くの商品が目に入るような動線を意識したり、一押しの商品を目立たせるように陳列したりします。
適切なスペースマネジメントを行い、お客さまの購買率、購入個数の向上を目指すことで、売上の拡大につながるでしょう。
店内の動線や商品の陳列については、下記の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
┃インストアマーケティングで期待できること
インストアマーケティングの考え方に基づいた施策の実施により期待できる効果は、多岐にわたります。お客さまにとっても事業者にとっても、大きな価値があるといえるでしょう。
インストアマーケティングで期待できる効果は、下記の通りです。
お客さまのロイヤリティ向上
インストアマーケティングでは、お客さまのロイヤリティの向上が期待できます。
お客さまにとって居心地の良い空間を作り、実店舗ならではの施策を実施すれば、お店や商品のファンを増やせるでしょう。
実店舗で購入することの価値の提供
実店舗で商品を購入することの価値をお客さまに提供できる点も、インストアマーケティングで期待できることの1つです。
例えば商品POPの設置によって、お客さまが目をとめていなかった商品の魅力に気づいてもらえたり、動線を工夫することで新たな商品を見つけてもらえたりします。
ネットショップではこのようなアプローチは難しく、インストアマーケティングならではの価値といえるでしょう。
また実際の商品を見たり、触れたりできるのも実店舗の魅力です。店舗スタッフよるフィッティングサービスや、関連商品の提案なども購買率や客単価アップにつながります。
顧客データの収集・活用
インストアマーケティングでは、顧客データの収集、それらを活用した施策を実施できます。
例えばデジタルサイネージを活用したプロモーションでは、AIカメラを連動させることで広告を見た人の性別や年齢に加え、表情や人数などの記録が可能です。また時間ごとの滞在人数の記録、分析もできます。
こうしたデータをインストアマーケティングに基づいた施策に活用すれば、よりお客さまのニーズに合った店舗づくりや商品開発が実現するでしょう。
低予算での売上拡大
インストアマーケティングは、来店を促すためのマーケティングに比べて、低予算で売上拡大が見込めます。
例えばお客さまの来店を促すために広告出稿した場合、多大な費用がかかることも珍しくありません。インストアマーケティングの場合、セールや商品POPの設置など、比較的低予算で実施できる施策が多くあります。また店舗を訪れたお客さまに直接アプローチできることから、即効性が高い点も特徴です。
広告宣伝費に予算や労力をかけることも大切ですが、効率良く売上を伸ばしていくためには、低コストで顧客単価を上げやすいインストアマーケティングが重要といえるでしょう。
商品POPについては、下記の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
┃売上拡大を目指し、インストアマーケティングを実施しよう
インストアマーケティングは、低コストで高い効果を期待できます。顧客満足度の向上や顧客単価アップのために、積極的にインストアマーケティングの考え方に基づいた施策を実施しましょう。
実店舗ならではのアプローチを行えば、多くのメリットがあります。ネットショップを中心に商品展開をしている事業者も、実店舗におけるインストアマーケティングを実施すれば、オンラインとオフライン両面から顧客のニーズに応えられます。
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