ECサイトと実店舗の連携を成功させるには?メリットや事例を紹介
- OMEMIE編集部
- 2月7日
- 読了時間: 9分
更新日:3月31日

近年、ECサイトの運営者が実店舗の出店に乗り出すケースが増加しています。ECサイトと実店舗を連携させることで、お客さまの利便性が高まり、売上拡大を期待できるためです。ECサイトと実店舗の連携は、事業拡大につながる大きな一歩になるでしょう。
この記事では、ECサイトと実店舗の連携のメリットや具体的な施策、成功事例などをご紹介します。実店舗の出店を検討しているEC事業者の方は、ぜひ参考にしてください。
┃目次
┃ECサイトと実店舗の連携で売上の最大化を目指す
ECサイトと実店舗を連携させれば、双方の強みを活かし、弱みをカバーできます。売上の最大化を目指すなら、ECサイトと実店舗のどちらか一方ではなく、両者を融合させた販売戦略を取るのがおすすめです。
ECサイトでの販売のみを行っていた事業者が実店舗を構えるケースは、実際に増えています。経済産業省が発表した「令和5年度 電子商取引に関する市場調査報告書」によると、2023年は実店舗回帰の傾向がみられ、ECサイトと実店舗を融合させる取り組みがより一層進んだとしています。
※経済産業省「令和5年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」(2024年9月)
「オムニチャネル」によって、顧客満足度の向上と売上拡大が期待できる
オムニチャネルとは、複数の販売チャネルを連携させ、お客さまへアプローチするマーケティング手法のことです。ECサイトと実店舗を連携させ、一貫性のあるサービスを提供することで、顧客満足度の向上やブランドとお客さまとの結びつきの強化を実現し、売上拡大を見込めます。
ECサイトと実店舗は異なる特徴を持っているため、それぞれの良さを活かし、お客さまにとって魅力的なブランド運営を目指すことが大切です。
「ECサイトのみ」と「ECサイトと実店舗」の売上関連指標の比較
ECサイトのみを運営している場合と、ECサイトと実店舗の両方を運営している場合では、売上にどのような影響があるのでしょうか。
下図は、ECサイトのみを利用しているお客さまと、ECサイトと実店舗を併用しているお客さまの「継続購入率」「購入額」「購入率」を比較したグラフです。
■「ECサイトのみ」と「ECサイトと実店舗の併用」の売上比較

※経済産業省「電子商取引実態調査」より弊社編集
ECサイトと実店舗を併用しているお客さまは、ECサイトのみを利用しているお客さまに比べて、「継続購入率」「購入額」「購入率」すべての割合が高くなっています。特に「購入率」は2.5倍と、大きな開きが見られました。
ECサイトと実店舗の両方を運営することは、売上拡大において多くのメリットがあると考えられます。
┃ECサイトを運営しながら実店舗を出店するメリット
ECサイトの運営と並行して実店舗を出店することは、お客さまと事業者双方にメリットがあります。ECサイトと実店舗の両方を運営するメリットを見ていきましょう。
商品を実際に見たいお客さまのニーズに応えられる
ECサイトと実店舗を運営するメリットは、商品を実際に見たいお客さまのニーズに応えられることです。特に洋服やアクセサリーなどのアパレル商品を扱うショップでは、実際に商品を見たり試着したりしたいというニーズが高いと考えられます。
ECサイトと並行して実店舗を運営することで、お客さまは「ECサイトで見た商品を実店舗で試着してから購入する」といった流れを作れます。「サイズが合うか確認したい」などのお客さまのニーズを満たし、満足度の高い購入体験を提供できるでしょう。
パーソナライズされた接客ができる
実店舗では、お客さま一人ひとりにパーソナライズされた接客が可能です。ECサイトで購入するか迷っていた商品でも、店舗スタッフが対面で接客し、不安や悩みを払拭することで、購入につながりやすくなるでしょう。
ECサイトは、店員の目を気にせず自分のペースで商品を閲覧できるのが魅力の1つです。しかしお客さま一人ひとりの要望に寄り添った細やかな提案はできません。
実店舗でパーソナライズされた接客を提供することで、お客さまとの関係構築にもなります。
すぐに商品が必要なお客さまのニーズに応えられる
ECサイトと並行して実店舗を設ければ、すぐに商品が必要なお客さまのニーズにも対応できます。ECサイトでは、購入から受け取りまでに一定の時間が必要です。しかし実店舗であれば、タイムラグが生じません。
ECサイトと実店舗の両方を運営することで、「すぐに必要ではないからECサイトで購入する」「すぐに必要だから実店舗で購入する」など、お客さまにとって利便性の高い購入体験を提供できます。
お客さまの声を商品開発などに活かせる
ECサイトだけではなく実店舗も運営することで、直接お客さまの声を聞ける機会が増えるため、商品開発などに役立ちます。商品に対するお客さまの意見は、商品開発やマーケティング施策を練る際の、重要な情報の1つです。
ECサイトでは生まれない、お客さまとの対面でのコミュニケーションは、事業者にとって有益な情報を得られる機会でしょう。
┃ECサイトと実店舗の連携を成功させるための施策
ECサイトと実店舗の連携を成功させるためには、運営方法に工夫が必要です。ここでは、実店舗とECサイトの連携を成功させるために実施したい、おすすめの施策をご紹介します。
共通のポイントシステムを作る
ECサイトと実店舗の連携を成功させるためには、それぞれに共通するポイントシステムの提供がおすすめです。
どちらか一方でしかポイントが貯まらなかったり、バラバラのポイントシステムを使っていたりすると、「同じ店で買い物をしているのに、なかなかポイントが貯まらない」などのネガティブな印象が生まれます。共通のポイントシステムで、お客さまの利便性を高めましょう。
ECサイトで注文した商品を実店舗で受け取れるようにする
ECサイトで注文した商品を実店舗で受け取れるようにすれば、お客さまの都合で商品の受取方法を選べます。ECサイトを利用する際の送料を抑えたいお客さまや、配送の受け取りが困難なお客さまでも、店舗受取なら気軽に利用できるでしょう。
ECサイトで実店舗の在庫状況がわかるようにする
ECサイトの商品ページに、実店舗の在庫の有無や個数を表示させることで、どの店舗で実物を確認できるのかがわかります。「店舗まで行ったのに希望の商品がなかった」などの事態も防げるでしょう。
さらにECサイトで見た商品を実店舗で取り置けるサービスもあれば安心です。お客さまは、来店までに売れてしまう心配をすることなく、希望の商品を実際に確認してから購入できます。
ECサイトで発生した返品・交換対応を実店舗で実施する
ECサイトで発生した返品・交換対応を実店舗で実施することで、より柔軟な対応が可能です。例えばサイズ変更の場合、「変更後のサイズも合わないのでは」といった不安を感じるお客さまもいるでしょう。実店舗で実際に商品を見てから交換できれば、このような問題を解決できます。
商品の返品・交換はネガティブな感情と結びつきやすくなりますが、対応次第ではプラスの印象を抱いてもらえる可能性があります。
顧客データを活かしたマーケティングを行う
ECサイトと実店舗の購入履歴や閲覧履歴を連携させて、お客さまにマッチしたマーケティングを行うことも効果的です。例えば実店舗の購入履歴をもとにECサイトでおすすめ商品をレコメンドしたり、反対にECサイトの購入履歴を参考に実店舗でコーディネートを提案したりするといった方法が考えられます。
┃ECサイトの事業者が実店舗を出店した成功事例
ECサイトと実店舗の連携を成功させるためには、事例が役立ちます。ECサイトで販売していた事業者が実店舗を出店し、成功した事例についてご紹介します。
【実店舗では客単価1.5倍】販売チャネルの多角化を目指し実店舗出店

ECサイトでブライダルアクセサリーを販売する「Bride me」は、お客さまとのコミュニケーションの場の構築、販売チャネルの多角化などの目的で実店舗を出店しました。
「商品を実際に体験できる」「スタッフが直接接客できる」といった実店舗ならではのメリットを活かし、実店舗の客単価はECサイトの1.5倍に。さらに実店舗の出店後、ECサイトの売上が右肩上がりに伸びるといった相乗効果も得られています。
実店舗出店では、接客で得られた情報をリアルタイムで本社チームと共有したり、定期的に振り返りを行ったりすることで、今後の経営方針の改善にも役立てています。
「Bride me」の事例については、下記の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
【客層を拡大】ECサイトでは出会えないお客さまへのアプローチのため実店舗出店

ECサイトを主軸とするヴィンテージセレクトショップ「CARA VINTAGE & SELECT」は、ECサイトでは出会えない客層や年齢層へのアプローチを目的に、実店舗の出店を積極的に行っています。出店先を検討する際は、商業施設の入店数や客層、ブランド構成を参考にしています。
「CARA VINTAGE & SELECT」のECサイトのメインターゲットは、若い年齢層のお客さまでした。しかし実店舗では、想定していたターゲット層よりも年代の高いお客さまが来店。これまでにはない客層の支持を得られたことで、出店戦略や出店場所の選択肢が広がり、大きな価値につながっています。
「CARA VINTAGE & SELECT」の事例については、下記の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
┃ECサイトと実店舗のメリットを活かして事業拡大を目指そう
ECサイトと実店舗、それぞれの強みを活かして連携することで、お客さまの利便性向上と事業の拡大を目指せます。ECサイトだけでは出会えなかったお客さまとの出会いにもつながるため、実店舗の出店を検討してはいかがでしょうか。
実店舗の出店を検討している方は、ぜひマルイ・モディをご検討ください。
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