ポップアップストアとは?成功事例や出店のメリット、費用を解説
- OMEMIE編集部
- 6月2日
- 読了時間: 17分
更新日:8月13日

ポップアップストアとは、短期間で出店する店舗形態のことです。
商業施設内や駅構内などさまざまな場所で展開されており、実店舗を持たないネットショップの事業者がリアルでお客さまと接する機会を作ったり、新製品のキャンペーンに利用したりと目的も多岐にわたります。
この記事では、ポップアップストアとして実店舗をオープンするメリットや出店場所のほか、具体的な出店方法と費用の目安、成功のポイントなどについて詳しく解説します。ポップアップストアの成功事例もご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
┃目次
┃ポップアップストアとは期間限定の店舗のこと
ポップアップストアとは、数日から週単位程度の短期間のみオープンする期間限定の店舗形態です。商業施設や駅構内のイベントスペース、店舗の空きスペースなどを利用して開催されます。
「ポップアップ(pop up)」は、英語で「突然現れる」といった意味を持つ言葉です。このことから常設店ではなく、臨時的に短期間開催される店舗をポップアップストアと呼ぶようになりました。
ポップアップストアは「アパレル」「家電」「化粧品」「食料品」「キャラクターグッズ」「サービス体験」など、幅広いカテゴリーの店舗が開催しています。
新商品の発売プロモーションや、ネットショップだけで販売されているブランドのオフライン販売などで利用されることが多く、常設店を持っている企業であっても、常設店がないエリアのプロモーションとしてポップアップストアを出店するケースもあります。
ブランドや商品のイメージを前面に押し出したデザインのポップアップストアであればブランドイメージが定着し、お客さまとの結び付きや知名度の向上を目指すことができる可能性があるでしょう。
┃ポップアップストアのメリット
ポップアップストアの出店は、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ポップアップストアならではのメリットをご紹介します。
話題性がある
期間限定のポップアップストアは話題性が高く、お客さまの興味・関心を集めやすい店舗形態です。常設店ではないからこそ「期間中に訪問しなければ」という意識が高まります。
また、SNSなどでポップアップストアの感想を伝えるお客さまが多ければ、大きな話題づくりになる可能性もあります。
魅力を十分に発信できるポップアップストアを展開することで、開催期間中はもちろん、終了後もネットショップやブランドに興味を持ってくれる人を増やせるかもしれません。
テストマーケティングができる
テストマーケティングとして、短期間のポップアップストアを利用できる点もメリットです。
例えば販売前の商品の試食や体験会、先行販売などが該当します。お客さまの実際の反応をその場で確認できるため、より率直な感想を集めやすいでしょう。
お客さまとの対話を通して、商材に対する感想などを掘り下げてヒアリングできる機会でもあります。
■テストマーケティングのイメージ

認知度の拡大が期待できる
ポップアップストアでは、自社との関わりがなかったターゲット層にブランドや商品を知ってもらい、認知度の拡大が期待できます。
例えばターゲット層が多く訪れる商業施設でポップアップストアを開いて、認知度を高めるといった手法です。またポップアップストアをきっかけに、これまでターゲット層ではなかったお客さまからのリアクションを得られるかもしれません。
出店のハードルが低い
短期間で開催するポップアップストアは、テナント料が手頃で大掛かりな内装工事なども不要なため、出店のハードルが低い点もメリットです。
常設店をいきなり構えるのはハードルが高い場合は、ポップアップストアから始めてみるものおすすめです。
具体的な出店の手順や費用の目安は後述しますが、ケースによっては1日1万円以下で商業施設への出店も可能なため、少ない負担でポップアップストアに挑戦できます。
対面でお客さまとコミュニケーションがとれる
常設店のないネットショップメインのお店にとって、対面でお客さまとコミュニケーションをとれる点は大きなメリットです。
お客さまと対面して直接反応を見たり要望を聞いたりすることは、マーケティングや商品開発の参考にもなります。お客さまとの関係性の強化にもつながり、ブランドのファンになってもらうきっかけになる可能性もあるでしょう。
┃ポップアップストアの出店場所の例
ポップアップストアは、さまざまな場所に出店可能です。主な出店場所は下記の通りです。
商業施設
デパートやショッピングモールのような商業施設のイベントスペースなどへの出店は、人通りが多い上に購買意欲の高いお客さまが集まることから、売上や宣伝効果を期待できると考えられます。
商業施設への常設店の出店を目指している場合は、まずポップアップショップから始めてみるのもおすすめです。
店舗の設備やスペースの選び方などの相談にのってくれる商業施設もあるため、初めてのポップアップストア出店でも利用しやすいでしょう。
店舗の一部のスペース
カフェや雑貨店などの店舗の一部スペースを借りて、ポップアップストアを出店する方法もあります。
その店舗が自社のブランドイメージにマッチするかに加え、出店スペースが狭くなる可能性が高いため自社の商材の提供に適しているかを事前に確認する必要があります。
スペースを借りる店舗の集客力にも影響されますが、関連性が高い商材を扱う場合は効果的な方法です。
レンタルスペース
ポップアップストアの出店場所の選択肢には、レンタルスペースを借りる方法もあります。
ある程度の広さがあるスペースを自店舗で専有できるため、ブランドイメージに合った世界観のポップアップストアを作りたい場合などには適しています。
ただしレンタルスペースの利用は、立地などによっては集客を見込めない可能性も高くなります。一定のファンを持つ集客力の高いブランドであれば問題ありませんが、そうでない場合は注意が必要です。
自然に多くの人の目にふれるわけではないため、新規顧客獲得や知名度アップ効果は期待しにくいと考えられます。
貸店舗
商店街などにある短期の貸店舗を利用して、ポップアップストアを出店することもできます。活気のある商店街にポップアップストアを開くことで、通りがかった多くの近隣住民へのアプローチが可能です。
年代や性別を問わず、該当の地域に暮らす人々に幅広くリーチしたい場合などに適しています。
┃ポップアップストアの出店の流れ
ポップアップストアの出店方法は、出店先によって大きく異なります。しかしどの出店先であっても、基本的にはWEBから問い合わせることが多いようです。
まずは借りたいスペースの運営元WEBサイトを確認してみましょう。
ここでは商業施設であるマルイ・モディのポップアップストアを例に、出店までの流れをご紹介します。
マルイ・モディへの出店は、問い合わせから契約までをオンラインで完結できる点が特徴です。
■マルイ・モディの場合のポップアップストア出店の流れ

1. 問い合わせ
希望する店舗と出店用途を選択して、出店できるスペースを確認します。希望のスペースがあればその区画へ問い合わせることも可能ですが、出店先について相談したいという場合でも相談フォームから問い合わせができます。
2. オンラインで打ち合わせ
問い合わせ後、オンラインで打ち合わせを行います。マルイ・モディはポップアップストアの出店実績が多数あり、専任のスタッフに相談しながら進められる点が特徴です。
この打ち合わせで出店方法やスペースについての不安や疑問などを解決します。
3. 出店プランの確定・契約
打ち合わせ後、出店プランが決まれば契約に進みます。利用料金の入金などが済み次第、準備完了です。
4. 出店
出店準備が完了すれば、いよいよポップアップストアの出店です。前日の搬入・当日の設営を経てオープンします。
┃ポップアップストアの出店費用
ポップアップストアの費用についても、出店するエリアやスペースの広さによって大きく異なります。希望する出店先へ問い合わせてみましょう。
マルイ・モディでは1日1万円以下のスペースも数多くあり、好立地であっても手頃な価格で利用できる点が特徴です。
マルイ・モディでのポップアップストアの出店について詳しくは下記をご覧ください。
┃ポップアップストア出店の成功事例
ポップアップストアは、短期間の開催でありながら多くの成果を生み出す可能性があります。認知度の向上や新規顧客との接点の創出、ブランドイメージの浸透など、目的に応じて柔軟に展開できる点が魅力です。
ここでは、実際にポップアップストアを出店して成果を上げた事例を、数多くの出店をサポートしてきたマルイの担当者の声をもとにご紹介します。これから出店を検討している方は、ぜひ出店の背景や成功のポイントをヒントにしてください。
<ポップアップストアの事例紹介者>
株式会社丸井 イベント運営課担当 齋藤
株式会社丸井イベント運営課担当 金久保
ポップアップストア開催を希望される企業さまと連携をとり、出店準備から出店後までトータルでサポート。
ネットショップに強い地方ブランドがポップアップを通じて常設展開へ

店名:amepla(アメプラ)
企業名:株式会社アメイズプラス
カテゴリ:ファッション雑貨
出店先:有楽町マルイ・新宿マルイ 本館
常設店を見据えた東京進出の第一歩
amepla(アメプラ)さまは、名古屋を拠点にシューズなどのファッション雑貨を中心に展開されているブランドです。ネットショップでの販売が中心で、関東在住のお客さまもいらっしゃるものの、実際に商品を試していただける機会が少ないことに課題を感じていました。将来的に常設店の出店を視野に入れ、その第一歩として、関東エリアの中でも特にニーズの高かった東京でポップアップストアを展開しました。
店舗作りと運営受託の活用で万全の出店体制に
出店にあたってamepla(アメプラ)さまが工夫されていた点の1つは、店舗の空間作りです。ブランドの世界観や商品の魅力をしっかりと伝えたいといった思いから、ポップアップとはいえ内装にもこだわり、丁寧に作り込まれていました。
2つ目は、運営受託サービスの活用です。3ヵ月という比較的長めの出店だったことや、関東での販売実績があまりなかったこともあり、「自社で販売員を確保するのが難しい」というお声がありました。そこで当社の運営受託サービスをご活用いただき、設営や販売を含む売場運営全般を一任いただくことになりました。遠方に拠点を置く企業さまにとっては、現地での体制作りが課題になるケースも多いため、こうした実務面のサポートをうまく活用することが大切です。
またマルイのエポスカード利用者向けの割引施策も効果的に活用されていました。平日はエポスカードの利用で5%オフになるキャンペーンを行い、「お得に買い物ができるから行ってみよう」といった来店動機にもつながったようです。
ポップアップでの成果が常設出店の決め手に
有楽町マルイでのポップアップストア出店では、お客さまからの反応も良く、一定の成果を得ることができ、その結果、常設店の出店に踏み切られました。シューズを実際に試して、納得した上で購入いただいていることで、実店舗だからこそ提供できる体験の価値を、実感されたようです。有楽町マルイでの実績を踏まえ、現在(2025年5月時点)は、新宿マルイ 本館でもポップアップストアを出店いただいています。
売上と新たなつながりを生むポップアップストア出店

店名:Cテラス
企業名:株式会社saharu
カテゴリ:ファッション雑貨
出店先:国分寺マルイ・町田モディ・町田マルイ・有楽町マルイ
ブランドさまのニーズに合わせて出店店舗を選定
Cテラスさまは、アクセサリーなどのファッション雑貨を扱うブランドのポップアップストアの企画・運営を行う企業で、自社商品もお持ちです。マルイのいくつかの店舗で、ブランドさまのニーズに合わせて、ポップアップ出店をしています。
出店先の選定で重要視している点は、「出店期間中にしっかり売上を出すこと」だそうです。出店環境がブランドさまのニーズに合っているか、そして実際に成果につながるかどうかを見極めた上で、マルイへの出店を判断されているとのことでした。
ポップアップストアだからこそ広がる新たな可能性
売上以外の面でも、ポップアップストアにはメリットがあります。Cテラスさまのような企画会社を通して、ポップアップストアを出店するケースも多いのですが、複数のブランドが同時に出店することで、出店者さま同士のつながりや情報交換が生まれる場合もあります。売上以外にも得られる成果がある点は、ポップアップストアを出店する大きな価値といえるでしょう。
常設店と連動した戦略的なポップアップストアの展開

店名:こころダイニング
企業名:キッコーマンこころダイニング株式会社
カテゴリ:食物販
出店先:有楽町マルイ・マルイファミリー溝口・北千住マルイなど
常設店への送客を視野に入れたポップアップストアの出店
こころダイニングさまは、吉祥寺に常設店舗を構える、発酵食品を扱うブランドです。有楽町マルイに「健康的な食」をテーマにしたイベントスペースが新設されるタイミングで、コンセプトが合致したことから出店に至りました。
こころダイニングさまがポップアップストアを出店した主な目的は、常設店への送客の増加です。トラフィックの多さや広い商圏といった立地の特性を活かし、新規顧客との接点を増やすことで、ブランドの認知を広げ、常設店舗への誘導につなげる狙いがありました。
はじめてのポップアップストアの出店で一定の成果が得られたことを受け、以降はさまざまな店舗でポップアップストアを出店しています。
実績を見ながら柔軟に出店サイクルを調整
こころダイニングさまは、マルイの複数の店舗で定期的にポップアップストアを出店していますが、出店のサイクルは、成果を見て調整しています。当初は半年に1回ほどの出店から始まり、その後は3ヵ月に1回、現在は(2025年5月)1ヵ月に1回というペースに変化していきました。
出店の度に得られる成果や反応を踏まえながら、次の出店タイミングや頻度を見直していくことで、より効果的にポップアップストアを活用されています。長期的な成果につなげていくためには、実績をもとに戦略的に展開していく姿勢が必要だといえるでしょう。
リアルな体験を通じた接点作りを重視
食品を取り扱うこころダイニングさまでは、ポップアップストアを出店する際に、積極的に試食を提供されています。リアル店舗だからこそ味わえる「体験」を通じて、お客さまとの接点をつくることを大切にされているのが印象的です。
さらにショップカードの配布など、常設店舗やネットショップへの送客につながる施策にも力を入れています。ポップアップストアをその場限りの販売機会ではなく、今後の購買やブランド接触につなげる場として活用されている点が特徴です。
リブランディングの認知拡大を後押ししたポップアップストアの出店

店名:STEAMCREAM
企業名:Sonotas株式会社
カテゴリ:美容
出店先:有楽町マルイ
ポップアップストア出店の目的はリブランディングと発信力の強化
STEAMCREAMさまは、高品質な原材料を使用したスキンケア商品を展開されているブランドです。動物性原料を一切使わないヴィーガン処方や手作業による製造に加え、再利用可能なアルミ缶容器の活用など、サステナビリティに配慮した特徴を持っています。
元々は常設店舗での販売を行っていましたが、コロナ禍でタッチアップ(お試し)の提供が難しくなり、すべての常設店をクローズされました。その後、状況が落ち着いてきたタイミングでブランドの方向性を見直し、リブランディングの認知拡大を図る目的でポップアップストアを出店しました。
ブランドの世界観を体現する場として出店先を選定
ポップアップストアの出店では、ブランドの世界観やターゲットとの親和性が高い場所を選ぶことも1つのポイントです。STEAMCREAMさまが出店された有楽町マルイは、広い商圏と高い認知度を持ち、働く女性の来店が多い点でもブランドの方向性とフィットしていました。
リブランディングという明確な目的があったこともあり、空間作りにも強くこだわっていました。製造工程をイメージできる設備施工を設けるなど、世界観が伝わるよう工夫された結果、ポップアップストアとしては比較的大型な施工設計を実現。店装の規模によっては実現が難しい出店場所もあるかもしれませんが、目的に合った演出や体験を叶えられる環境を選ぶことは、ポップアップストアを成功に導く上で欠かせないポイントといえます。
多角的な施策を実現するための出店パートナー選び
出店にあたっては、インフルエンサーを活用したPR施策やブランドロゴのリニューアルのほか、ノベルティの配布、複数の商品を組み合わせたバンドルセールなど、さまざまな取り組みを行いました。これまでポップアップストアの運営をサポートしてきた経験を活かしながら、目的やブランドの世界観に合った施策について当社からご提案させていただいた内容も含まれています。
出店を通じて成果を出すためには、場所だけでなく、こうした多角的なサポートを受けられるパートナーを選ぶことも、ポップアップストアを効果的に活用するためのポイントです。
┃ポップアップストアの出店を成功させるポイント
ポップアップストアの出店を成功させるためには、いくつかのポイントがあります。事前準備をしっかり行って、売上や認知度拡大につなげていきましょう。
出店場所を調査する
出店場所を決める際には、必ず出店場所の事前調査を行います。該当のエリアに出店した場合に見込める客層や周辺の施設、来店客数の見込みと変動要因などを確認した上で、自社に適した場所かを判断しましょう。
SNSでの拡散を狙う

ポップアップストアの集客は、SNSでの拡散度合いによって左右される可能性があります。広く情報を届けるために、ハッシュタグをつけた投稿キャンペーンや拡散キャンペーンなどを実施するのもおすすめです。
自社のSNSでポップアップストアの開催前から情報を発信して拡散を狙うとともに、実際に訪れた顧客にも感想を投稿してもらうことで、リアルな評判を伝えやすくなります。
店内にフォトスポットを設けたり、思わず投稿したくなるような見栄えの商品を取りそろえたりして、顧客の投稿意欲を盛り上げるのも方法のひとつです。
なおマルイ・モディでポップアップストアを出店する場合は、マルイのWEBサイトやSNSでの告知などのご相談が可能です。出店先にそのようなサービスがあれば、活用しながら集客に努めます。
体験型のコンテンツを作る
体験型のコンテンツを作ると、ポップアップショップを訪問した顧客の印象に残りやすくなります。
自社の商品やサービスを体験できるようなコンテンツや楽しめるコンテンツを用意して、顧客満足度の向上を目指します。
コンテンツを体験した顧客にプレゼントや特典を用意すると帰宅後も印象に残りやすく、SNS投稿などにつながるかもしれません。
お客さまとの関係性を築く施策をとる
ポップアップショップは、開催期間が終了すればなくなってしまうため、お客さまとの関係性を継続させていくための施策が重要なポイントです。
QRコードなどを用意してその場でSNSのフォローができるようにしたり、来店者限定クーポンを配布したりして、今後の関係継続を目指します。
┃ポップアップストアで新たな事業展開を目指そう
ポップアップストアには、顧客との関係性の強化や知名度の向上といった多くのメリットがあります。
実店舗よりも出店のハードルが低いため、顧客の生の声を聞いて反応を見るために上手に活用しましょう。
『マルイの出店サービスOMEMIE(おめみえ)』は、マルイ・モディ店舗への「出店の検討に関するお問い合わせ・出店サポート・契約手続き」が、オンラインで完結できるマルイ独自のサービスです。
サイト上でお好きなスペースを選ぶことができ、短期間のポップアップストア(イベント出店)はもちろん、長期間の常設店舗の出店も可能です。
食・ファッション・インテリアをはじめ、ライフスタイルサポートに関するサービスや、アニメ・ホビーなど幅広いカテゴリーの出店を募集しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。