【常設】カフェ/新しい業態への挑戦/こだわりの内装
┃DATA
ブランド:チャロチャロ!チャイブレイク
業態:飲食
社名:tea break
出店目的:新業態へのチャレンジ
出店店舗・フロア:吉祥寺マルイ 1階
┃目次
┃はじめに
今回は吉祥寺マルイで常設出店をしていただいた、チャロチャロ!チャイブレイクのオーナー水野さまにお話を伺いました。
吉祥寺で長年紅茶専門店を運営されてきた同氏の、次なる一手とは!?カフェではなく、テイクアウトして街や井の頭公園を歩く体験を提案していくという新業態へのチャレンジの裏側をお聞きしました。
┃この記事のポイント
よりカジュアルにするためにブランドを分けた個性的な設計
小さな区画ならではのメリットに合わせたお店づくり
1号店と連携し、スリムな店舗設備でも手作りのフードをお客様に提供
┃出店した目的を教えてください
紅茶のテイクアウトにチャレンジしたかった
14年前から井の頭公園に近い立地でチャイブレイクという紅茶メインのカフェを経営しています。
地元の常連客から、初めてのお客さままで幅広くご利用いただいています。
長年紅茶を扱いながら、コーヒーのテイクアウトはあるのに紅茶のテイクアウトはなぜないのだろう?いつかチャレンジしてみたいという想いを持っていました。
コロナの影響もあり、この機会にやってみようと色々試した結果、チャイが持ち歩きに適しているのではないかという仮説が見えてきて、テイクアウト専門店を出すことにしました。
┃なぜ吉祥寺マルイに出店を決めたのですか
井の頭公園までの導線が良かった、初期費用の負担減らせるコンパクトなスペースを探していた
チャイブレイクのお客さまも大事にしつつ、よりカジュアルに新しいお客さまに試していただき、自分たちの紅茶を吉祥寺や井の頭公園で持ち歩いて欲しい。
それを見た他の人たちも気になってついついお店に来てくれるようなことを期待して構想を練りました。
吉祥寺で試すということは決めていて、街を歩き回りながら出店場所を探しました。
理想としては人通りが多く、できれば公園までの導線に場所があることです。
また、テイクアウト前提なので初期投資を抑えられるような小さなスペースの場所を探していました。
その中でマルイさんの一階だと公園への導線に近く、人通りも多いことから自分からコンタクトを取りました。
┃お店の設計が決まるまでのストーリーを教えてください
チャイのお店ということでインドのテイストを出しつつも、お客さまが試しやすいようにデザイナーさんと議論を深めて決定
お店の設計に関しては、デザイナーさんとたくさん議論をしながら進めていきました。
ヒアリングを受け私たちの構想をお伝えし、絵を描いてもらい認識を合わせるという工程を何度か繰り返しました。
今回はチャイのお店なので、インドのテイストをどのように、どのくらい出せるのかイメージを作りながらお客さまが試しやすい雰囲気になるのかというバランスが論点になりました。
┃出店にあたってのこだわりのポイントがあれば教えてください
既存の店舗とは違ったカジュアルに紅茶を楽しんでいただくコンセプトに
チャイブレイクとは異なり、今回はテイクアウトのお店で新しいお客さま、若いお客さまにもカジュアルにお使いいただきたいという想いがあったので、違った個性をもつチャロチャロ!チャイブレイクという新しいブランドを考えました。
チャロとはインド(ヒンディー語)でLet’s go!という意味で、より気軽に使ってもらい吉祥寺の街を楽しんで欲しいという想いを込めました。
また、手作りの温かみのある商品を提供するということにこだわって、フードやドリンクは全てスタッフが丁寧に手作りをしています。
テイクアウトして持ち歩いて欲しいということで、カップのデザインにこだわっています。
今はスリーブでやっていますが、今後はオリジナルカップに変えていこうと準備を進めています。
┃出店してみての気づきがあれば教えてください
お店のさらなる成長に向けて日々のコミュニケーションが重要
会社ではなく、私が個人事業主としてつくっているお店なので、さまざまな意思決定は私がしています。
お店をさらに良くしていくには、お客さまを最もよく知る現場のスタッフたちとのコミュニケーションが重要になります。
チャイブレイクとチャロチャロ!チャイブレイクは徒歩圏内なので多い時は1日に何度も行き来しながらどのようなお客さまが来ているのか、どんな商品に興味を持っていただいているのかを毎日会話するようにしています。
商業施設に初めて出店する中で施設ならではのルールや設備の制約があること
商業施設に出店すること自体が初めてだったので慣れないことが多いです。
例えば実際に出店契約をしてから「チャイブレイクさん一緒にやりましょう!」という返答がなかなかもらえなかったり、契約決裁をもらってから内装を設計し提出するまでの期間が思ったよりも短かったということです。
また、レジの締め作業に関しても施設ならではのルールがあったりします。
フードをだすためにはオーブンなどの厨房設備が必要なのですが、借りられる区画が決まっていざ確認してみると排気設備が入れられない場所で厨房機器に制約がありました。
たまたま近くにチャイブレイクがあったので、現在はそこである程度調理をして運び、最後の工程を店頭で行って提供するという運用で解決しました。
また、小さい区画で初期費用を抑えるということを優先して準備したのですが、冷蔵庫など在庫の管理をするスペースが足りないという課題もありました。
チャイづくりには大量のミルクが必要なんです。そのミルクを冷蔵保管するスペースをマルイさんのバックヤードに別でお借りする形で解決しています。
今後に向けて新たな商品開発とメディア活用に注力
さらなる認知拡大にむけて、よりお店の個性・カラーをつくりたいと考えています。
具体的には、このお店でしか味わえないテイクアウトティーの開発と、SNS等のメディア活用が直近のテーマです。
また、マルイさんのサスティナブルなお店づくりという文脈に共感しています。
現在プラスチックのストローを紙にするか、カップの蓋をやめるかなどをお客さまと対話しながら慎重に検討しています。オリジナルカップもできるので。
チャイづくりでは大量の茶葉を使うのですが、その茶葉をリサイクルできないかを考えていて、お茶畑で堆肥として使ってもらい次の茶葉を育てることに寄与できたら素敵だなと。
┃まとめ
今回は“紅茶をもっと、カジュアルに”。というコンセプトでテイクアウト専門店という新業態にチャレンジされたチャロチャロ!チャイブレイクオーナーの水野さまにお話を伺いました。
テイクアウトする紅茶(チャイ)の可能性を広げること、それをもと新たなお客さまを獲得することを目指しブランドを分けて考えたり、初期費用をできるだけ抑えながら細部にはこだわりの詰まったお店づくりに水野さまの想いの強さを感じました。
街を楽しんで欲しいというお言葉にもあるように、利益を追求するだけではなくご自身の街をもっと盛り上げたいという考えのあるテナントさまとの出会いに感謝です。
テイクアウトのカップのデザインへのこだわりが次のお客さまとの最初の接点になるという考え方も今後の店舗出店の参考になりそうです。
今回のスペース
吉祥寺マルイ
井の頭公園を中心に、大型商業施設や商店街がある吉祥寺に立地しており、「食」や「サービス」カテゴリーが充実している店舗です。