雑貨屋を開業する流れは?資金の目安や事例から学ぶ成功のポイント
- OMEMIE編集部

- 7月3日
- 読了時間: 10分
更新日:8月14日

「雑貨屋を開いてみたい」と思っても、何から始めればいいかわからない方もいるでしょう。雑貨屋の開業には、明確なコンセプトの設定や資金計画のほか、物件探し、各種届け出など、いくつものステップがあります。
この記事では、雑貨屋を開業するまでの流れや必要な資金の内訳に加え、資金調達の方法もご紹介します。さらに実際に成功を収めた開業事例にもふれていますので、ぜひ参考にしてください。
┃目次
┃雑貨屋を開業するまでの流れ
雑貨屋を開業するには、いくつかの段階を踏んで準備を進める必要があります。まずは雑貨屋の開業までの一般的な流れについて、順を追って解説します。
STEP1 開業形態とコンセプトを決める
開業形態とコンセプトを決めることが、雑貨屋開業の第一歩です。開業形態の選択肢には、実店舗やネットショップのほか、短期間のイベント出店などさまざまなスタイルがあります。例えば集客力の高い商業施設へ出店するケースや、初期投資を抑えやすいネットショップからスタートするケースもあります。
開業するお店のコンセプトを明確にすることも大切です。「文房具中心の雑貨屋」「ナチュラルテイストの生活雑貨」「北欧風のインテリア雑貨」など、扱う商品ジャンルと世界観を定めることで、ターゲット層への訴求力が高まり、ブランドイメージの構築にもつながるでしょう。
開業形態の決め方やコンセプトの設定については、下記の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
STEP2 出店場所・物件を選ぶ
次に、出店場所と物件を選びます。雑貨屋にとって立地は、売上に直結する大きな要素です。出店場所を選ぶ際は、人通りの多さや周辺店舗との業種バランスに加え、家賃と予算の兼ね合い、路面店か商業施設かといった点を総合的に検討する必要があります。
例えば若者が多く集まる駅近エリアは、人通りが多く集客を期待できますが、家賃は高めに設定されていることが一般的です。一方住宅地近くの路面店は、地域に根ざした運営によって固定ファンを獲得しやすいというメリットがあります。ただし人通りが少ない場所では、新規顧客との接点が限られやすく、知名度を高めるまでに時間がかかるという課題もあります。
さらに物件選びの際には、内装の自由度や契約条件(保証金・礼金・更新料など)、電気・水道の引き込み状況なども事前に確認しましょう。
物件選びについては、下記の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
STEP3 必要な届け出や手続きを行う
出店場所を選んだら、開業に向けて届出や手続きを行います。個人事業主として雑貨屋を開業する場合は、下記のような各種届け出や手続きが必要です。
<個人事業主として開業する場合の主な届け出>
個人事業の開業届出:開業後1ヵ月以内に所轄の税務署へ提出
青色申告承認申請:青色申告を選択する場合、開業後2ヵ月以内に税務署へ提出
事業開始等申告書:名称や提出先は自治体によって異なる
※2025年6月時点の情報
またアンティーク雑貨や中古品(古着・古本など)を販売する場合、「古物商許可申請」が必要です。さらに法人として開業する場合は、「法人登記」「社会保険・労働保険への加入」のほか、税務署への各種届け出など、さまざまな手続きも発生します。
届け出の内容や必要な書類は、開業形態や業種、所在地によって異なるため、事前に自治体や関係機関のWEBサイトなどで最新情報を確認しましょう。
STEP4 商品の仕入れ・什器の準備をする
届け出や手続きと並行して、商品の仕入れ、什器の準備も進めていきます。雑貨の仕入れ方法は、展示会や業者向けのオンラインサイトを利用した雑貨問屋のほか、メーカーとの直接取引、個人輸入代行、現地での買い付けによる海外輸入など、多岐にわたります。またオリジナル商品を取り扱う場合には、発注元が企画や仕様を決め、製造を外部メーカーに委託する「OEM生産」を行う製造業者との提携も必要です。
さらに店舗運営にはレジや棚、ラッピング用品、商品POPなど、さまざまな什器も欠かせません。開業当日に必要なものがそろっていないとスムーズな運営も難しくなるため、必要な什器をリストアップし、準備を進めましょう。
STEP5 集客施策を始め、オープンに備える
商品の仕入れや什器の準備を進め、オープンの告知ができる段階になったら集客施策をスタートします。InstagramやX(旧Twitter)、ブログなどを活用して、開店前から店舗情報を発信することで、見込み客との接点を増やせます。またGoogleビジネスプロフィールに登録すると、地域検索に対応できるため、近隣の潜在顧客にもリーチしやすくなるでしょう。
さらにオープニングセールの実施や、ノベルティのプレゼントなども、来店促進の効果が期待できます。
┃雑貨屋の開業資金と調達方法

雑貨屋を開業するにあたり、多くの方が不安に感じるのは、必要な資金とその調達方法です。ここでは、初期費用の内訳や相場、資金調達の主な方法についてご紹介します。
開業資金の主な内訳と金額の目安
雑貨屋の開業に必要な資金は、店舗の規模や場所によって大きく異なりますが、50万~300万円が目安とされています。下記は、代表的な費用の内訳と目安の金額です。
■初期費用の主な内訳と目安の金額
項目 | 目安の金額 |
家賃保証金・礼金・仲介手数料 | 10万~100万円 |
内装工事費 | 20万~100万円 |
什器・備品購入費 | 10万~50万円 |
商品仕入れ費 | 10万~50万円 |
広告宣伝費(SNS広告、印刷物など) | 5万~30万円 |
また必要に応じて、「電気・照明の工事費」「POSレジ(売上データや在庫情報をリアルタイムで記録・管理できるシステム)の導入費」「ゴミ処理や清掃費用」などもかかります。
費用は工夫次第で抑えることもできますが、内装や広告など、集客・ブランドイメージに関わる部分を削りすぎると、かえって売上が伸びず、長期的に不利になる可能性もあります。全体の予算配分を見ながら、何にどれだけ投資すべきか優先順位を明確にした上で、資金を有効に活用しましょう。
開業資金の調達方法
雑貨屋を開業する際の資金調達では、金融機関や公的機関からの融資を利用することが多くあります。中でも日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、新しく事業を始める人向けに、最大7,200万円の融資が受けられる制度で、条件を満たせば無担保・無保証人での借入も可能です。金利も民間より低めで、返済期間も長く設定されています。
※日本政策金融公庫「新規開業資金」
※2025年6月時点の情報
また自治体の補助金や助成金制度を利用すれば、開業にかかる費用の一部をまかなえます。例えば東京都の「創業助成事業」では、経費の3分の2以内、最大400万円の支援を受けられ、返済も不要です。
※公益財団法人東京都中小企業振興公社「創業助成事業」
※2025年6月時点の情報
さらにクラウドファンディングを活用して、雑貨屋のコンセプトや想いに共感した人から資金を募る方法もあります。支援者にとって魅力的なリターンを用意したり、発信方法や内容を工夫したりして、「応援したい」と思ってもらう工夫が必要です。
┃雑貨屋開業の事例から学ぶ成功のポイント
雑貨屋を開業するにあたっては、実際に成功している店舗の事例が大きなヒントになります。ここでは、商業施設であるマルイに出店し、成果を上げた雑貨屋の開業事例をご紹介します。
話題性のある商品をスピーディーに展開し、集客に成功した事例
開業店舗:アニメグッズの販売
出店店舗:有楽町マルイ
アニメグッズの販売をする企業さまは、売上拡大を目的に、期間限定でポップアップストアを出店しました。版元から仕入れたアニメタイトルをポップアップ形式で展開するビジネスモデルを採用されています。
開業スケジュールを優先するため、準備期間を短縮できる居抜き物件を選択。限られた条件下でも、展開する商品の話題性を最大限に活かすことで、一定の集客効果を得られました。
アニメグッズのようにタイミングが重要な商材では、居抜き物件などを活用してスピーディーに出店できる環境を選び、「今届けたい商品」を逃さず展開する柔軟さが、成功のカギといえるでしょう。
丁寧な告知と商品訴求で、安定したスタートを実現した事例

開業店舗:ボディピアスの販売
出店店舗:新宿マルイ アネックス
ボディピアスを販売する企業さまは、元々出店していた施設の閉館に伴い、新たな立地での開業を決めました。長年通っていただいたお客さまとの関係を途切れさせずに、営業を継続することを重視した移転です。早い段階から余裕をもち、物件の選定から契約、準備までを進め、なるべく休業期間を空けずに営業を再開できるようスケジュールを組みました。準備が円滑に進むよう、マルイの担当者も最大限のサポートを行いました。
告知を入念に行っていたこともあり、再開後も順調に営業を継続できています。店内では、商品の魅力がしっかり伝わるよう什器やレイアウトにも工夫を凝らしました。その結果、再開から日が浅い段階でも、売上は概ね計画通りに推移しています。
安定したスタートを切ることができた点は、施設側との連携に加え、移転前からの丁寧な告知や、商品の魅力を伝えるために工夫された店内作りが成果を生んだ結果といえるでしょう。
┃雑貨屋開業でよくある失敗と解決策
雑貨屋を成功させるには、事前にありがちな失敗を知り、対策を考えておくことが大切です。ここでは、よくある失敗とその解決策をご紹介します。
在庫過多や売れ筋を見誤る
雑貨屋の開業でよくある失敗は、「売れそう」と思った商品を大量に仕入れてしまうことです。売れ残った在庫は資金を圧迫し、経営を苦しくします。仕入れは少量多品種を基本とし、販売データをもとに判断するスタイルが安心です。POSレジや、スプレッドシートを活用して売上動向を定期的に分析しましょう。
コンセプトが曖昧でターゲットに響かない
コンセプトが曖昧なまま店舗運営を進めてしまうことも、雑貨屋の開業でよくある失敗の1つです。コンセプトを明確にし、ターゲットが共感できる世界観を店内全体で表現しましょう。内装、商品、商品POPなどに一貫性を持たせることで、お店の魅力が伝わりやすくなり、リピーターの獲得にもつながります。
集客・宣伝を後回しにしてしまう
集客・宣伝を後回しにしてしまうことも、雑貨屋の開業でありがちな失敗です。どんなに魅力的なお店でも、知ってもらわなければ、来店にはつながりません。開店前からSNSやGoogleマップ、ブログなどを活用して情報発信を始めましょう。
経費管理が甘く、利益が残らない
雑貨屋の開業における失敗には、経営管理が甘いことも挙げられます。売上があっても、利益が残らなければ経営は安定しません。家賃や仕入れ、広告費などの支出を事前にシミュレーションし、月ごとの予算と実績を「見える化」することが大切です。
┃雑貨屋の開業を成功させるためには、情報収集と準備が大切

雑貨屋の開業は、アイディアやセンスを活かせる魅力的な挑戦です。ただし思いつきや、勢いだけでは成功は難しく、事前の準備や計画、そして正確な情報が欠かせません。開業形態の選定や物件探しのほか、資金調達、仕入れ、集客施策など、それぞれのステップで押さえるべきポイントがあります。また事例から学べるヒントや、よくある失敗とその回避策を知っておくことで、より堅実にスタートを切れるでしょう。
雑貨屋の開業を検討している場合は、商業施設のマルイ・モディへの出店がおすすめです。初期費用を抑えられる「敷金ゼロプラン」のほか、居抜き物件も数多くご用意しています。マルイ・モディへの出店をサポートする『マルイの出店サービスOMEMIE(おめみえ)』に、出店スペースの賃料が掲載されていますので、ぜひご確認ください。
『マルイの出店サービスOMEMIE(おめみえ)』は、マルイ・モディ店舗への「出店の検討に関するお問い合わせ・出店サポート・契約手続き」までが、オンラインで完結できるマルイ独自のサービスです。常設店はもちろん、短期間のPOPUP・イベントの出店も可能です。
食・ファッション・インテリアをはじめ、ライフスタイルサポートに関するサービスや、アニメ・ホビーなど幅広いカテゴリーの出店を募集しているため、ぜひお気軽にお問い合わせください。
























