
近年、利用の手軽さや需要の高まりから、テイクアウト専門店の開業を目指す方が増えています。ただしテイクアウト専門店を成功させるためには、メリットやデメリットについて理解し、特徴を活かした店舗運営が求められます。
この記事では、テイクアウト専門店を開業するメリットとデメリットに加え、開業までの具体的な流れを解説します。テイクアウト専門店を開業するために必要な手続きについても紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
┃目次
┃テイクアウト専門とは持ち帰りに特化した飲食店のこと
テイクアウト専門店とは、持ち帰り限定で飲食物を提供する店舗のことです。テイクアウト専門店は、リモートワークの増加や軽減税率の導入といった背景から、需要が増加しています。フードデリバリーの拡大も相まって、飲食店の料理を店内ではなく自宅で楽しむスタイルが、以前に比べてより一般的になってきました。
なおテイクアウト専門店のうち、デリバリーのみで実店舗を持たない飲食店を「ゴーストレストラン」と呼びます。一方通常の営業をする飲食店が、テイクアウト専門サービスを別業態で行う場合は「バーチャルレストラン」と呼ばれます。
┃テイクアウト専門店を開業するメリット
テイクアウト専門店の開業には、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、テイクアウト専門店を開業するメリットをご紹介します。
人件費・賃料・光熱費を抑えられる
テイクアウト専門店では、飲食店に必要な人件費、賃料、光熱費といったランニングコストの多くを抑えられます。飲食スペースがない分、最小限の店舗面積で運営でき、基本的にホールスタッフも必要ありません。
小規模なテイクアウト専門店であれば、スタッフを雇わず、飲食物の提供や会計を1人で行うことも可能でしょう。
開業資金を抑えられる
テイクアウト専門店は、少ない開業資金でも無理なく始められます。通常の飲食店を開業する場合に比べて「物件を借りる初期費用」「内装工事費用」「備品代」などの削減が可能です。
テイクアウト専門店は店舗面積が小さく、賃料が安い傾向にあるため、賃料◯ヵ月分といった契約で支払う敷金や礼金を抑えられます。また飲食スペースの内装工事も不要で、テーブルや椅子、メニュー、食器類なども必要ありません。厨房設備やテイクアウト容器など最小限の備品でスタートできます。
開業時はもちろん、店舗を増やしていく際のコストも抑えられます。少ない負担で事業の拡大を目指せるでしょう。
店舗の立地に左右されずに営業できる
テイクアウト専門店は、キッチンカーでの移動販売や、ポップアップストアでの販売など、自由度の高い経営がしやすい業態です。決まった場所に常設店を構えるのではなく、テイクアウトのニーズが高そうな複数のエリアを移動しながらの営業も可能です。
┃テイクアウト専門を開業するデメリット
テイクアウト専門店には、独自の難しさもあります。テイクアウト専門店のデメリットを見ていきましょう。
高い商品を販売しづらい
テイクアウト専門店では、通常の飲食店よりも商品単価を低く設定する傾向があり、高額な商品を販売しにくい点はデメリットといえます。テイクアウト専門店が増加する中で、メニューごとにおおよその相場もできつつあります。競合店の価格帯を参考に、手に取ってもらえる価格を検討しなければいけません。
通常の飲食店にはない備品代がかかる
通常の飲食店では必要のない備品代がかかることも、テイクアウト専門店のデメリットです。使い捨ての弁当容器やプラスチック容器、カトラリー、紙袋といったテイクアウト用の備品を用意しなければいけません。オリジナルのロゴが印刷された容器などはブランドの色を出しやすくなりますが、その分コストがかさみます。
提供できるメニューが限られる
テイクアウト専門店では、提供できるメニューが限られます。テイクアウト専門店を利用したお客さまは、料理をすぐに食べるとは限りません。時間が経ってから食べる可能性もあるため、冷めても味が変わりにくいメニューを考える必要があるでしょう。また食中毒のリスクが高い商品も避けなければいけません。おいしさと安全性を考慮したメニュー作りが求められます。
┃テイクアウト専門店を開業するまでの流れ
テイクアウト専門店を開業するまでの流れを4ステップでご紹介します。やるべきことをリストアップして、計画的な開業を目指しましょう。
■テイクアウト専門店開業の流れ

1. コンセプト設計
テイクアウト専門店に限らず店舗をオープンする際は、コンセプト設計が必須です。どのようなテイクアウト専門店が求められているのか、競合にはどんなお店があるのかといった分析を行い、自店舗の方向性を定めましょう。
コンセプト設計は、開業する場所やメニュー、単価など、店舗の方向性を決める際の軸になります。開業準備を進める際は、はじめにコンセプト設計をしっかり定めなければなりません。
コンセプトについては、下記の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
2. 開業資金の調達
コンセプト設計が終わったら、開業資金について検討します。テイクアウト専門店は、通常の飲食店に比べて初期費用を抑えやすいものの、それでもある程度まとまった資金は必要です。ただし開業予定の物件の広さや立地のほか、料理の種類などによって、具体的な金額は異なります。概算を算出した上で、必要な資金を準備しましょう。
みずからの貯金で開業資金を賄える場合は問題ありませんが、そうでない場合は、資金調達が必要です。開業資金の調達には、下記の方法が挙げられます。
<開業資金の調達方法の例>
日本政策金融公庫から融資を受ける
金融機関から融資を受ける
補助金や助成金を利用する
クラウドファンディングを活用する
開業資金については、以下の記事で詳しく解説しています。併せて参考にしてください。
3. 出店先の検討・契約
店舗のコンセプトが固まり、資金繰りの目途がついたら、いよいよ出店先を検討します。テイクアウト専門店は、同業種だけでなく手軽に利用できるコンビニなども競合店になります。自店舗のターゲット層が訪れるエリアで、競合店の少ない場所がおすすめです。
4. 飲食店出店の手続き
テイクアウト専門店をオープンする際は、下記の手続きを行う必要があります。
■テイクアウト専門店の開業に必要な手続き
手続き | 概要 |
飲食店営業許可証の取得 | ・開業予定の地域を管轄する保健所で手続きをして取得する ・飲食物の提供が可能になる ・事前相談で設備確認を要する |
食品衛生責任者資格の取得 | ・各自治体が実施する「食品衛生責任者養成講習会」などを受講して、資格を取得する ・栄養士や調理師などの資格を有している場合は不要 |
防火管理者選任届の提出 | ・一定規模を超える施設で開業する場合は、管轄の消防署に提出する ・提出が必要かどうかわからない場合は、施設の管理者や消防署に問い合わせる |
飲食店の営業許可については、下記の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
┃テイクアウト専門店は手軽に開業できる魅力的な飲食店

テイクアウト専門店は、飲食店の中でも低コストで手間をかけずに開業できる業態です。テイクアウト専門店の需要を分析した上で開業場所やメニューを検討すれば、大きな成長も期待できます。
またテイクアウト専門店は、人々が多く集まる場所での開業がおすすめです。好立地の商業施設なら、ショッピング中のお客さまの目にとまりやすく、集客につなげられます。集客力のある商業施設であれば、マルイ・モディへ出店を検討してはいかがでしょうか。マルイ・モディは、人々が多く集まるターミナル駅の近くに店舗を構える商業施設です。店舗ごとのWEBサイト上や、グループ会社が発行するクレジットカード「エポスカード」の会員向けに、集客を積極的に行っています。
テイクアウト専門店として、マルイに出店した事例については、下記の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
『マルイの出店サービスOMEMIE(おめみえ)』は、マルイ・モディ店舗への「出店の検討に関するお問い合わせ・出店サポート・契約手続き」までが、オンラインで完結できるマルイ独自のサービスです。
テイクアウト専門店はもちろん、通常の飲食店、POPUP・イベントの出店も受け付けています。飲食店をはじめ、ファッション・インテリア・ライフスタイルサポートに関するサービス・アニメ・ホビーなど幅広いカテゴリーの出店を募集しているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。